●アポクリン線とは

私たちの身体にある汗を出す汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の二種類があります。エクリン腺から出ている汗は体温調節という重要な働きをしている汗でほとんど無臭です。一方、アポクリン腺ですがエクリン腺が全身に分布しているのに対してアポクリン線は、わきの下 、陰部(性器の周囲)、肛門、乳首(乳輪)、耳の中(耳の後ろ)など特定部位に多く分布しています。アポクリン汗腺が行動を始めるのは思春期の頃からで個人差もありますが、壮年期後半まで続きます。ホルモン分泌が活発になるとともに活動し始めるということから思春期にわきがの症状が出始める人が多いのです。

たった30分で治るワキガ・多汗症

●ワキガとアポクリン線の関係

アポクリン線から出る汗自体には臭いはありません。アポクリン腺から分泌される汗に含まれる脂肪酸などいろんな物質が肌の常在菌などの細菌に分解されたときに独特なニオイが発生するのです。これがワキガといわれます。食生活や生活習慣などによって、このアポクリン腺は肥大することもあり、肥大化するとよりニオイが強くなる傾向にあるといわれます。私たちのからだには、脂肪分を外に出す皮脂腺がありますが、肉食中心になり脂肪分を多くとりすぎていると、アポクリン腺からも汗と一緒に脂肪分が排出され、細菌がいっそう繁殖しやすくなります。日本人よりも欧米人にワキガが多いのは肉食中心の食生活だからです。肉食中心の方ご注意を!!しかし、近年日本も欧米の食生活になりつつありますので、ワキガで悩む方が増えたのは事実です。

■アポクリン線とフェロモン

フェロモンって聞かれたことがあると思いますが、異性をひきつけるニオイ(物質)といわれ哺乳類や昆虫が体外に放出して、特有な行動や生理作用を引き起こす化学物質です。

ヒトでは多くの汗腺がエクリン汗腺ですが、他の哺乳類ではアポクリン汗腺が全身に存在することが多く、その臭いで異性を引きつけたり仲間を確認するなどの役割があります。一般には、性的に発情(興奮)を誘発させる性フェロモンが知られますがが、他にも種類があります。

道標フェロモン・集合フェロモン ・警報フェロモン ・性周期同調フェロモン など。

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